引き続き、PICkit-2ライタを使ってロジック・アナライザ機能を試してみます。今回は、手持ちのマイコン基板の信号波形を実際に観測してみます。
機能が豊富なので、今回もその紹介にしかなりませんが、興味のある方は、実際に試してみて機能を探ってみてください。
3.観測に使ったマイコン基板
ここで使ったマイコン基板は、測定した温度をパソコンに送り表示するものです。概略は次のようになっています。
・UART側は変換回路経由でパソコンに接続しています。
・使っているI2CデバイスはLM75という温度センサです。
若松通商から入手したLM75を秋月電子通商から入手した変換基板にはんだ付けしたものです。
・このマイコン基板は5V電源を接続したまま波形観察を行っています。
観測したマイコン基板とPICkit-2ライタは、直接PICkit-2ライタからの観測用ICクリップを各マイコン端子に接続しています。
4.実際にRS232CのTTL波形を見る
最初は、RS-232Cでおなじみのシリアル通信(UART信号)のそれぞれロジック信号を観測してみます。観測するのはマイコンの直接入出力端子(ピン)で、MAX232などRS-232CのICと接続する信号ラインです。
1)準備
PICkit-2ライタからの観測用CH1端子はマイコンからの送信となるTXD端子、そして観測用CH2端子はマイコンへの受信となるRXD端子に接続します。電源端子VDD/GND端子はPICkit-2ライタから供給しませんが、マイコン回路に接続しておきます。
パソコンとUART通信設定は9600bps、データ長8、パリティなし、スタート/ストップ・ビットともに1個です。パソコンからは文字”S"だけ1バイト送信します。
マイコン動作は”S”文字を受信すると、温度データASCII数字を4文字パソコンに送信します。観測はこのように1回限りの通信を行います。
2)動作画面の設定
PICkit-2書込ソフトを起動し、「Tools」ニューから「Logic tool」を起動し、「Analyze」画面にします。
動作の設定は、
・トリガはスタート・ビットが0(ロー・レベル)になったときに開始
・サンプリング・レートは100kHz
設定詳細は、下記の4)の結果画面を参照ください。
3)信号待ち
RUNボタンを押すと、信号待ちの画面が出ます。
4)”S”文字を受信する
このようなトリガ信号待ち状態画面で、マイコンに対してパソコンから”S”文字を1バイト送信してみます。そうするとマイコンが動作し、受信したUART受信波形が中央段CH2に、マイコンからの送信が上の段、CH1に波形が表示されます。下の段は何も接続していないCH3です(画面クリックで拡大)。
受信した信号を詳しく見ると、スタート・ビットとストップ・ビットの間のデータは「11001010」となっています。つまりデータは16進数で0xCAのように見えます。しかし、UARTデータ転送はビット0のLSBから転送するので、ビット・パターンは逆の01010011になります。つまり、マイコンに対して送ったデータは16進数0x53、ASCII文字の”S”だったということが確認できます。
これを見る限りでは、このロジアナ機能は結構役に立ちそうです。
5)ロジック・レベルの信号を見る
ロジック・レベルの信号を見るには、画面右上のModeボタンの「Logic」と「Analyze」で、「Logic」ボタンを押します。そうすると画面は切り替わります。各チャネルはINPUTにチェックされているのを確認し、右下にある「Enable IO」ボタンを押します。画面には現在のロジック・レベルでの1,0表示されます。
5.I2C信号を見る
次に観測するロジック信号は、マイコン基板のI2Cインタフェースです。CH1はクロック・ライン、CH2はデータ・ラインにそれぞれ接続し直します。
残念ながら、UARTの時と同様に動かそうとしても、I2C波形は表示されませんでした。これはPICkit-2ライタのCH1とCH2にプルダウン抵抗が入っているためのようです。このマイコン基板のI2Cインタフェースでは動作しないようです。確かに、このあたりはユーザ・ガイドにも書かれています。
そこで、プルダウン抵抗の入っていないCH3をクロック・ラインに接続して観測すると、波形は出ました。観測時の設定などはこの画面のとおりです(画面クリックで拡大)。
画面のクロック・ラインの波形をよく見ると、最初のクロック部分はI2Cデバイスのアドレス・バイトを送信しているクロック群とわかります。次のクロック群二つは、温度センサからの2バイトの温度データ受信のものです。
Saveボタンを押すと、画面はbmpファイルに保存できます(画面クリックで拡大)。
以上、簡単にPICkit-2ライタのロジック・アナライザ機能を使い、波形観測をしてみました。追試する方は観測する回路やPICkit-2説明書を読み、問題のないことを確認の上、お試しください。
後田敏
