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HC08マイコンの使い方QY4A編 -
《3》 英文・和文データシートを眺めよう


 HC08マイコンを使い始めるにあたって、参考にできる資料はなるべく見ておきたいものです。フリースケールに限らず、ほとんどのマイコン・メーカから、自社製品の詳しいデータシートが無料で公開されています。ふた昔前では考えにくいことですね(当時は1冊8,000円も出してデータブックを買っていたことを考えると、非常にありがたいことです)。



qy4a_qy4_qc16.jpg

左から QY4A , QY4 , QC16 マイコン
QC16 には DIPタイプがないので変換基板を使っている


 「データシート」 には、その製品を使うために必要な情報が一通り書かれていますから、ある程度マイコンというものに慣れた人なら、データシートさえ読めばそのマイコンを自由に使いこなすことができます。 とはいえ、実際にはメーカごとにいろいろなクセというか特徴があるので、初めて見るメーカのデータシートの場合は、そうすんなりといかないというのも事実です。


【 HC08マイコンのデータシートを入手しよう 】
 この連載で主に使っていく MC908QY4A には、残念ながら日本語のデータシートがありません。 英語がまったく障害にならないという人はよいのですが、筆者のように、あまり英語が得意でない人にしてみれば、日本語のデータシートがある方がありがたいです。
 そこで、参考になる日本語データシートもあわせて紹介しておきましょう。


◆MC68HC908QY4A Data Sheet(英文)
http://www.freescale.com/files/microcontrollers/doc/data_sheet
/MC68HC908QY4A.pdf

 MC908QY4A 最新の英文データシートです(執筆時点では Rev.2 4/2007)。
QT/QY の改良版(A付き)を使うとき、機能・内容の正確な説明や電気的特性を調べる場合にこれを参照します。
 探し方: 米国フリースケール のサイトにアクセスして、Support → Documentation を選択。 Enter Keyword に QY4A と入れて、 Search All Documentation をプルダウンして Data Sheets を選び、その右にある Search ボタン [>>] をクリックすると出てきます。


◆MC68HC908QY4データシート(和文)
http://www.freescale.co.jp/pdf/mc68hc908qy4j-r1.pdf

 MC68HC908QY4 の和文データシートです。(Rev.1 10/2003)
 改良前の QT/QY(Aなし)を使うときに参考になります。ただし、これは英文の初版を和訳したものであり、QT/QY(Aなし)の機能・内容を正確に記述できていない部分があります。 たとえば、QT/QY(Aなし)の新しい英文データシートには、 TIM のクロック・ソースを外部から入力できる機能が記載されています。
 探し方: この和文データシートは内容が古いためか、残念ながらフリースケールのサイトで検索しても探すことができません。それでもしっかり存在していますので、日本語の資料が見たいというときは非常に参考になります。 QT/QY(Aなし)の最新英文データシートを探す場合は、上記の QY4A と同様にして Enter Keyword を QY4 として検索してください (執筆時点の最新は Rev.5 で、表紙に 7/2005 と記載あり)。


◆MC68HC908QC16データシート(和文)
http://www.freescale.co.jp/pdf/MC68HC908QC16J_Rev1.pdf

 MC908QC16 の和文データシートです。(執筆時点では Rev.1 7/2007)
 QC16 は QB8 を強化したような内容のマイコンで、シリアル通信モジュールも内蔵しています。 その他の機能モジュールはほとんど QTxA/QYxA と共通なので、QB8 ユーザや QY4A ユーザにもたいへん参考になります。何しろ 2008年 6月に登録されたばかりの新しい日本語資料なのが嬉しいです。
 探し方: 日本のフリースケール のサイトにアクセスして、サポート → ドキュメント → 日本語資料 と選択し、8/16ビット・マイクロコントローラ関連資料 をクリックすると出てきます。

 ここで紹介したデータシートは Web 上で参照することができますが、いったん自分のパソコンに保存して、いつでもそれを開けるようにしておくことをお勧めします。

 その他注意すること。 MC908QY8 は末尾に A が付きませんが、改良前のQT/QY の仲間ではなく、QB4/QB8 の仲間ですので間違えないようにしてください。データシートも QB8 と同じものを参照する必要があります。
http://www.freescale.com/files/microcontrollers/doc/data_sheet
/MC68HC908QB8.pdf

 また、古い低電圧タイプ(HLC) の QT/QY の英文データシートは ↓こちらです。 http://www.freescale.com/files/microcontrollers/doc/data_sheet
/MC68HLC908QY4.pdf

 

【 HC08マイコンのブロック図を眺める 】
 それでは、QY4A のデータシート MC68HC908QY4A.pdf を開いてみましょう。
Chapter 1 General Description 1.3 MCU Block Diagram (第1章 概要 1.3 MCUのブロック図) を見てください。
 下図に示したのは、筆者が日本語に翻訳したものです。フリースケール・セミコンダクタ社の承諾を得て掲載させていただきました。 クリックすると、もう少し大きい図が開きます。

 

      (C) freescale semiconductor

 どのようなモジュールが含まれているか、ざっと眺めておいてください。少し耳慣れない専門用語がありますから、簡単に説明しておきます。
◆キーボード割り込み 入力端子をこの機能に割り当てておくと、入力レベルが変化したときに割り込みを発生できます。ストップ状態からの復帰にも使えます。 KBI0~KBI5 端子を個別に設定して使うことができます。
◆シングル割り込み いわゆる外部割り込みです。IRQ 端子を使うことができます。
◆自動ウェイクアップ タイマ・モジュールとは独立したハードウェアで、周期的に割り込みを発生させることができます。ストップ状態から定期的に復帰させるときに使用します。
◆低電圧インヒビット 電源電圧が低下したことを検出できます。検出のしかたについてはまた改めて説明します。
◆COPモジュール コンピュータ正常動作といって、一般にいうところの WDT(ウォッチドッグ・タイマ)のことです。プログラムが暴走した場合に備えて設定することができます。
◆モニタROM と ブレーク・モジュール 主にデバッガが使用します。特別な場合を除いて普通はユーザが意識しなくても大丈夫です。

 その他には、とくに変わった専門用語はないと思います。PTA、PTB というのは汎用入出力ポートA,B のことですし、 ADCというのは A-Dコンバータのことです。
 関心のある方は QC16 和文データシートなども見てみると面白いでしょう。 ただし、QY4A と QC16 で構造が異なる機能モジュールもあるので、両方を参照する場合はよく見比べてみてください。


 次回は CodeWarrior のインストールを簡単に紹介して、HC08スターター・ボード・キット Ver.2 の組み立てまでを説明する予定です。

『PDF ファイルの扱いについて』
データシートは PDF 形式なので、表示するためには表示ソフトが必要です。
アドビシステムズ社のサイト(http://www.adobe.com/jp/products/reader/) から AdobeReader が無料でダウンロードできます。

『参考文献』
「試しながら学ぶHC08マイコン入門」 (CQ出版)
Appendix F 表F-1 MC908QY4A と KMC908QY4A の特徴比較(機能一覧)
 

組み込みエンジニア KAWANO

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