前回からの続きです。
◆ Device Initialization の設定をする
マイコン内部に用意された機能がリストに現れました。ひとつずつ、設定すべき内容を見ていきましょう。最初に 【CPU】 をクリックしてください。
マイコン全体に関する項目を設定します。下図と同じように設定してください(ほとんどの画像はクリックで拡大できる)。 左側にある + マークを適宜クリックして展開し、内容を確認していきます。設定した項目は - マークをクリックして隠しておいても大丈夫です。設定変更時の注意点を挙げておきます。
・ HC08スターター・ボードは自動的に TRIM 値を計測して書き込む機能がないので、Initialize trim value を 【no】 にしてください(Yes のままだと TRIM 値として 0xFF が使われてしまう)。
・ この画面右側の上から三つは、ほかの画面で設定する内容によって設定状況が変わるので、ここでは気にする必要はありません。
下図と同じに設定したら、 【OK】 をクリックしてください。
次は、【COP】 をクリックしてください。 COP というのは、ほかのマイコンではウォッチドッグ・タイマ(WDT) と呼ばれることが多いです。ちなみにウォッチドッグというのは番犬のことです。詳しい説明は別の機会に譲ります。
下図のように 「Enable COP」 を 【no】 にしてから、【OK】 をクリックしてください。
A-Dコンバータに関する設定をします。このマイコンの A-Dコンバータは 10ビット精度と 8ビット精度どちらでも使用できますが、ここでは処理を簡単にするため 8ビット精度で使用します。【ADC】 をクリックしてください。
最初の設定のままでは、ADC内部クロックがハードウェアの使用条件に合っていません。次のように変更してください。
・ Clock Source を 【Internal bus clock】 にします。 これは QY4(A無し版)などと同様の構成になります。
・ Prescaler を 【2】 にします。これでエラーや警告が消えたはずです。
・ ADC Input Pins は、+ 記号をクリックして 【1】 にします。A-D入力ピンを 1本使うという意味です。
・ Input Pin0 の Pin を 【PTA4_OSC2_AD2_KBI4】 にします。入出力ポートとしては PTA4 という名前のピンですが、A-D入力として扱う場合は AD2 という名前ですから間違えないようにしましょう。
・ Initial channel select は 【Channel 2】 にします。
下図と同じに設定したら、 【OK】 をクリックしてください。
次は、タイマです。【TIM】 をクリックしてください。 TIM は機能がとても多いモジュールなので、設定項目も多くなっています。先に図を示しておきましょう。
このマイコンのタイマ・モジュールは 16ビット精度なので、PWM機能(ディジタルなんだけどアナログっぽい出力ができる機能と考えて差し支えない)も 16ビット幅で利用することができます。しかしここでは、処理を簡単にするため 8ビット 以下の範囲で利用しています。
図を見ながら、丁寧に合わせていってください。
・ Clock Settings の Prescaler は 【64】 を選択します。
・ Modulo Counter は半角の数字で 【249】 と入力してください。すると 250 分周ということになり、その下の Period(周期)が 5ms になるはずです。グレー表示なので、ここを直接変更することはできません。
・ Channels は、+ 記号をクリックして 【1】 にします。タイマ・モジュールのチャネルを 一つ使うという意味です。
・ Capture/Compare Device は 【TIM1】 を選択します。
・ Settings の Mode は 【Output compare or PWM】 を選択します。
・ Output action は 【Clear output on compare】 を選択します。
・ Channel compare value はプログラムの中で書き換えるので、ここでは何でもかまわないのですが、電源をオンしたときに一瞬 LED がチラッと光ってしまわないように、すぐに一致しない値を設定しておきます。半角の数字で 【248】 と入力してください。
・ Toggle on overflow を 【yes】 にしてください。
・ Initialization の Start counter を 【yes】 にしてください。
すべて上図と同じに設定したら、 【OK】 をクリックしてください。
ここまでで大方の設定が済みました。あとは普通の入出力ポートの設定をします。PORT A の設定をするために 【PTA】 をクリックしてください。
・ Settings の Port control は 【Indivisual pins】 を選択します。これは PORTA に含まれるポートをすべて一括して扱うのではなく、1本ずつ別個に扱うという指定です。
・ 今回使用するポートはプッシュ・スイッチが接続された PTA3 ですから、Pins の Pin3 を 【Enabled】 にします。そして、念のために Pull registor は 【pull up】 にしておきます。これだけでよいのですが、まったく使わない端子を未設定のまま放置するのはあまり良い習慣とは言えないので、マイコン内部のプルアップを付けておきましょう。具体的には、Pin0 , Pin2 , Pin5 の各端子を 【Enabled】 にして、それぞれ 【pull up】 を選択しておきます。
下図と同じに設定したら、 【OK】 をクリックしてください。
最後に、PORT B の設定をします。【PTB】 をクリックしてください。
今回はポート B は使わないので、簡単に済ませられます。本当は何もしなくてもよいくらいなのですが、ここでも念のために内部プルアップを付ける設定にしておきましょう。
・ Port control は 【Entire I/O port】 のままでよいです。
・ Pull resistor を 【pull up】 に変えてください。
下図と同じに設定したら、 【OK】 をクリックしてください。
続きは 《10》 初めての Device Initialization(後編) にて。
『参考文献』
「試しながら学ぶHC08マイコン入門」 (CQ出版)
第10章 統合開発環境 CodeWarrior を使ってみる
Appendix D フリースケールの8ビットマイコンと開発ツール
筆者のホームページ 『マイコン工作の実験室』
組み込みエンジニア 川野亮輔
