○はじめに
本コーナーは、エレキジャックNo.8に付属したマイコンたちを使って、いろいろなインターフェース回路を試してみるコーナーです。
目的はただマイコンのインターフェース回路を作って動かすという、手段と目的が入れ替わったマイコン趣味のコーナーです。みなさんどうぞよろしくお願いします。
本コーナーは、エレキジャックNo.8に付属したマイコンたちを使って、いろいろなインターフェース回路を試してみるコーナーです。
目的はただマイコンのインターフェース回路を作って動かすという、手段と目的が入れ替わったマイコン趣味のコーナーです。みなさんどうぞよろしくお願いします。
○3.3VのHCS08マイコンに5V動作のLCDモジュールをつなぐ
今回は、マイコン工作では定番のキャラクタLCDモジュールをフリースケールHCS08マイコンにつないで文字を表示させてみましょう。
・キャラクタLCDモジュールとは?
キャラクタLCDモジュールとは、写真1のように基板にLCDが搭載された機能モジュールです。いろいろなところで紹介されているので、すでに多くの方がご存知と思います。マイコン工作での定番アイテムの一つです。
この写真は、台湾SUNLIKE社のSD1602HUOBという製品です。今回はこれを例に説明します。

キャラクタLCDモジュールは、LCD画面に文字を表示させるために必要なコントロール回路が基板上に組み込まれていて、端子に必要な電源と信号を与えると簡単に文字が表示できます。
今回使用したSD1602HUOBは、1行あたり16文字の5×7ドットの半角英数とカタカナなどのキャラクタを2行表示できます。
半透過形のLCDパネルとオレンジ色のLEDバックライトをもっています。
バックライトを使用しないときは通常の反射型LCDとして、バックライトを点灯させるとオレンジ色に輝く暗闇でもはっきり見えるLCDパネルとして使用できます。
一つ1000円程度で購入できる、ポピュラな形式のモジュールです。
また、姉妹品に緑色のバックライトのものや、バックライトなしのものもあり、同様に使用できます。
データシートは下記より入手できます。
http://www.lcd-modules.com.tw/data/chsracter/SD1602H.pdf
ブレッドボードにつくようにするには、写真1のLCDモジュールの下にあるようなピン・ヘッダを購入して、はんだ付けをして使用します。
・LCDモジュールとHCS08マイコンとの接続
SD1602HUOをはじめとする、このクラスのキャラクタ表示LCDモジュールのオリジナルは、四半世紀ほど昔に発売された日立製作所のLM016をはじめとする同社のLCDモジュールです。
現在のキャラクタ表示LCDモジュールの多くは、このオリジナルとある程度の互換性があるように作られていて、当時一般的な5Vの電源電圧で動くよう設計されています。
しかし、付録のHCS08マイコンの電源電圧は最大3.6Vまでで、さらにブレッドボード上にてUSBSPYDERからの電源供給で動作させる場合は、3.3Vで動作させる必要があります。
普通に考えると、新たに5Vの電源を用意してレベル変換ICを…となりますが、ブレッドボードでLCD表示器を動作させる程度の目的なら、実は簡単な回路を用意するだけでも動作させることができます。
○ チャージ・ポンプ版LCD接続回路
LCDモジュールの接続回路は、2種類を紹介する予定です。
まずは、簡単な回路で動くチャージ・ポンプ版LCD接続回路を紹介します。

チャージ・ポンプ版LCD接続回路は、図1のように接続します。
SD1602HUOにはオレンジ色のLEDバックライトが搭載されていますが、バックライト内部でLEDが直列接続されていてLEDのVFが標準で4.2V あります。
チャージ・ポンプ版ではバックライトを発光させるパワーは確保できないので、バックライトなしの反射型液晶パネルとして使用します。その代わり、消費電力は低く抑えることができます。
この回路は、通常のLCDモジュールと使用回路とはいくつか違うところがあります。
まず、いつも5V入力している電源端子に3.3Vをつないでしまっています。さらに、LCDのコントラストVRがなんとマイナス電源につながっています。なぜこのような回路で動くのか?LCDモジュールの中身を見てみましょう。
・LCDモジュールの2種類の電源
図2は、先のURLよりダウンロードしたLCDモジュールSD1602HUOBデータシートの電気的特性の抜粋です。
よく見ると供給電圧の規定が2種類あることに気付きます。

一つは「Supply Voltage」です。これは、内部のLCDコントローラLSIの論理回路の電源電圧を規定しています。標準電圧は5Vですが、最低は2.7Vから動作するとあります。よって、VDD端子に3.3Vを加えて動作することが期待できます。
もう一つは「LCD Operating Voltage」です。これはLCDパネルに供給するバイアス電源の電圧です。VDD端子とVo端子間の電圧として規定されています。
LCDパネルは温度により濃淡が変化するので、各温度での標準値が規定されていて4.8V~4.2V となっています。
VDD端子に5Vを加えるときは、Vo端子とGND間に上記の電圧範囲を十分カバーするように可変できるVRを接続します。このVRで適度なコントラストを調整できるようにします。
VDD端子の電源電圧が3.3Vのときはどうするか?
VDD-Vo間の電圧が上記4.8V~4.2V程度あれば良いわけですから、-2V程度の電源があればVRを接続してLCDのバイアス電源を確保できる寸法です。
-2VなんてGNDより低い電圧を加えて壊れないのか?
大丈夫です。このモジュールの搭載されているKS0066(または相当品)というコントローラLSIはもっと高電圧を必要とするLCDパネルにも対応できるよう設計されていて、VDD-Vo間に相当する端子の耐圧は13Vあります。つまり、もともとマイナス電源を加えて駆動できるように設計されているわけです。今回は、そんなに高電圧をかけてもLCDパネルが傷むだけですから-2V程度の電圧を発生させるようにします。
余談ながら、KS0066Uのオリジナルは日立製作所(当時)のHD44780というLSIです。筆者手持ちの同LSIのデータブックには、このバイアス電圧の加え方が詳しく記載されています。
次回は、チャージ・ポンプの具体的な回路動作を説明していきます。
今回は、マイコン工作では定番のキャラクタLCDモジュールをフリースケールHCS08マイコンにつないで文字を表示させてみましょう。
・キャラクタLCDモジュールとは?
キャラクタLCDモジュールとは、写真1のように基板にLCDが搭載された機能モジュールです。いろいろなところで紹介されているので、すでに多くの方がご存知と思います。マイコン工作での定番アイテムの一つです。
この写真は、台湾SUNLIKE社のSD1602HUOBという製品です。今回はこれを例に説明します。
写真 1 キャラクタLCDモジュール SD1602HUOB
購入するときは形に合う接続ピン・ヘッダを忘れずに購入する。
購入するときは形に合う接続ピン・ヘッダを忘れずに購入する。
キャラクタLCDモジュールは、LCD画面に文字を表示させるために必要なコントロール回路が基板上に組み込まれていて、端子に必要な電源と信号を与えると簡単に文字が表示できます。
今回使用したSD1602HUOBは、1行あたり16文字の5×7ドットの半角英数とカタカナなどのキャラクタを2行表示できます。
半透過形のLCDパネルとオレンジ色のLEDバックライトをもっています。
バックライトを使用しないときは通常の反射型LCDとして、バックライトを点灯させるとオレンジ色に輝く暗闇でもはっきり見えるLCDパネルとして使用できます。
一つ1000円程度で購入できる、ポピュラな形式のモジュールです。
また、姉妹品に緑色のバックライトのものや、バックライトなしのものもあり、同様に使用できます。
データシートは下記より入手できます。
http://www.lcd-modules.com.tw/data/chsracter/SD1602H.pdf
ブレッドボードにつくようにするには、写真1のLCDモジュールの下にあるようなピン・ヘッダを購入して、はんだ付けをして使用します。
・LCDモジュールとHCS08マイコンとの接続
SD1602HUOをはじめとする、このクラスのキャラクタ表示LCDモジュールのオリジナルは、四半世紀ほど昔に発売された日立製作所のLM016をはじめとする同社のLCDモジュールです。
現在のキャラクタ表示LCDモジュールの多くは、このオリジナルとある程度の互換性があるように作られていて、当時一般的な5Vの電源電圧で動くよう設計されています。
しかし、付録のHCS08マイコンの電源電圧は最大3.6Vまでで、さらにブレッドボード上にてUSBSPYDERからの電源供給で動作させる場合は、3.3Vで動作させる必要があります。
普通に考えると、新たに5Vの電源を用意してレベル変換ICを…となりますが、ブレッドボードでLCD表示器を動作させる程度の目的なら、実は簡単な回路を用意するだけでも動作させることができます。
○ チャージ・ポンプ版LCD接続回路
LCDモジュールの接続回路は、2種類を紹介する予定です。
まずは、簡単な回路で動くチャージ・ポンプ版LCD接続回路を紹介します。
図1 チャージ・ポンプ版LCDモジュール用インターフェース回路
チャージ・ポンプ版LCD接続回路は、図1のように接続します。
SD1602HUOにはオレンジ色のLEDバックライトが搭載されていますが、バックライト内部でLEDが直列接続されていてLEDのVFが標準で4.2V あります。
チャージ・ポンプ版ではバックライトを発光させるパワーは確保できないので、バックライトなしの反射型液晶パネルとして使用します。その代わり、消費電力は低く抑えることができます。
この回路は、通常のLCDモジュールと使用回路とはいくつか違うところがあります。
まず、いつも5V入力している電源端子に3.3Vをつないでしまっています。さらに、LCDのコントラストVRがなんとマイナス電源につながっています。なぜこのような回路で動くのか?LCDモジュールの中身を見てみましょう。
・LCDモジュールの2種類の電源
図2は、先のURLよりダウンロードしたLCDモジュールSD1602HUOBデータシートの電気的特性の抜粋です。
よく見ると供給電圧の規定が2種類あることに気付きます。
図 2 SD1602HUOBの電気特性(SD1602Hデータシートより抜粋)
一つは「Supply Voltage」です。これは、内部のLCDコントローラLSIの論理回路の電源電圧を規定しています。標準電圧は5Vですが、最低は2.7Vから動作するとあります。よって、VDD端子に3.3Vを加えて動作することが期待できます。
もう一つは「LCD Operating Voltage」です。これはLCDパネルに供給するバイアス電源の電圧です。VDD端子とVo端子間の電圧として規定されています。
LCDパネルは温度により濃淡が変化するので、各温度での標準値が規定されていて4.8V~4.2V となっています。
VDD端子に5Vを加えるときは、Vo端子とGND間に上記の電圧範囲を十分カバーするように可変できるVRを接続します。このVRで適度なコントラストを調整できるようにします。
VDD端子の電源電圧が3.3Vのときはどうするか?
VDD-Vo間の電圧が上記4.8V~4.2V程度あれば良いわけですから、-2V程度の電源があればVRを接続してLCDのバイアス電源を確保できる寸法です。
-2VなんてGNDより低い電圧を加えて壊れないのか?
大丈夫です。このモジュールの搭載されているKS0066(または相当品)というコントローラLSIはもっと高電圧を必要とするLCDパネルにも対応できるよう設計されていて、VDD-Vo間に相当する端子の耐圧は13Vあります。つまり、もともとマイナス電源を加えて駆動できるように設計されているわけです。今回は、そんなに高電圧をかけてもLCDパネルが傷むだけですから-2V程度の電圧を発生させるようにします。
余談ながら、KS0066Uのオリジナルは日立製作所(当時)のHD44780というLSIです。筆者手持ちの同LSIのデータブックには、このバイアス電圧の加え方が詳しく記載されています。
次回は、チャージ・ポンプの具体的な回路動作を説明していきます。
<寺尾大二>
(2008/09/22 修正)図1。LCD回路図内コントラストVRの摺動子の位置を変更。
