○チャージ・ポンプ用ソフト
ハードウェア編でバックライトなしの簡便な方法として、タイマ・クロックを使用したチャージ・ポンプでLCDパネルのバイアス電圧を確保した方法を紹介しました。
このチャージ・ポンプはMCUよりドライブ・クロックを得ています。
ここでは、この部分を説明します。
設定は、図 4 のように5μsのパルス幅の約100kHzの方形波をPTB5ポートに出力するようにします。
チャージ・ポンプ用クロックは、LCDパネルの駆動電力を供給する信号です。
LCDパネルが必要とする電流は1~2mA程度の少ない電流ですので、HCS08マイコンの通常の出力ポート・ドライブ能力でもドライブ可能です。しかし、コンデンサを充放電する比較的ヘビーな負荷なので、なるべく強力なドライブ信号でチャージ・ポンプを駆動してあげるほうがよいでしょう。
HCS08MCUのI/Oポートの中には、出力能力を変更できる機能をそなえたポートがあります。チャージ・ポンプ用に使った、PTB5もその機能が備わっています。
そこで、図5のようにBean “PTB_PinPproperty”を設定して、対応するPTB5ポートの”Drive strength”の設定を”High”としてドライブ能力の増強を図ります。
しかし、図 5 の設定をするとPTB5ピンをタイマ出力と汎用I/Oと両方で使うことになり、Processor Expertはポート重複使用の警告を出します。
使用したいのはポートそのものではなく「ポートの設定」のみなので、図 6 のように”Bean Enabled”のチェックを外して、Processor Expertに「このポートは使用しない」旨を設定してやります。
こうすることにより、Processor ExpertはPTB5のPTB5の”Drive strength”を”High”にする初期化コードのみを出力して、ポート出力自身は実際に使用することはありません。これで、出力増強型チャージ・ポンプ用クロックのできあがりです。
この機能は、初期化のみでクロックを出し続けるので、ユーザ・コードは必要ありません。Processor Expertの設定のみで機能します。
○ダウンロード用ソースについて
最後に、このデモ・プログラムのプロジェクトコード1式をダウンロードいただけるよう、用意しました。ぜひ、一度ダウンロードして、LCD表示で遊んでみてください。
LCDwBooster.zip
○まとめ
以上で、“No.8付録で試す。マイコン回路- その1定番 HCS08マイコンにLCDモジュールをつなぐ”は終わりです。
結構大変なLCDモジュールの表示も、ブレッドボードで配線すれば簡単に試すことができます。
LCDモジュールにはユーザ定義フォント機能など、応用すると面白い機能があります。これは“応用編”として別の機会にご紹介しましょう。
◆次回の予告
次回は、78Kマイコンで7セグメントLEDをダイナミック点灯してみましょう。
7セグメントLEDは今回のLCDモジュールのような表現力はありませんが、どこからも良く見える、明るくハッキリした表示が特徴です。
7セグメントLEDをダイナミック点灯するには、ハードウェア、ソフトウェアともイロイロ守るべく約束ごとがあります。次回からは、これらの約束ごとを見ていきながら、実際に7セグメントLEDで数字を表示させてみましょう。
<寺尾 大二>
