最近では、マイコン・デバイスへのプログラムの書き込みは、ブートローダを内蔵したものを除いて、ISP/ICSP方式(インサーキット・プログラミング;回路に実装したまま行うプログラミング方法)が主流になっていると思います。とはいえ、あらかじめデバイス単独でプログラミングしておきたい場合や、何個かまとめてプログラミングしたいこともあります。
そこで今回は、PICまたはAVRのICSP/ISP方式のプログラマで、デバイス単体で書き込めるようにするソケット・アダプタを紹介します。このアダプタは、写真のように、ブレッド・ボード上にZIFソケットやピン・ヘッダなどを配置しただけの簡単なものです。
●デバイスごとの配線の違い
PIC16、PIC18シリーズはピン数の少ないものを除けば、RB7、RB6がICSP用の信号と決まっていて、ピン配列もピン数にかかわらず、大体同じような位置に配置されています。このため、切り替えは比較的簡単ですが、AVRはあまり統一性がなく、デバイスによりまちまちですので、これを切り替え回路やジャンパなどで切り替えようとすると大変です。
ならばいっそのこと、どこでも接続できるようにしてしまおう、という発想で製作したのが、今回のソケット・アダプタです。ブレッド・ボードにソケットを配置してあるので、ICSP/ISPの信号線はどこにでも配線できます。したがって、配線さえ変更すれば、PICだろうが、dsPICだろうが、AVRだろうが、ピン数の違いも含めて、すべて対応可能です。
●ICSP/ISPコネクタ、電源コネクタ
今回、工夫したのは、ブレッド・ボードにICSP/ISPプログラマや電源を接続する方法です。写真のように、ピン・ヘッダやナイロン・コネクタを組み合わせて、ブレッド・ボードにしっかり取り付けできるようにしてあります。
次の写真は、ICSP/ISPコネクタ付近です。抵抗器はVDD(VCC)と/MCLR(/RST)間に配線されています。プログラマとは6Pシングルのピン・ヘッダで接続します。PIC-KEYやPicKit2は直結できますが、ICD2、ICD-U40やAVR ISP2などは直結できないため、変換コネクタを作るなどしてシングル6Pに変換する必要があります。
両側にある電源ラインは、どちらからでも電源が取り出せるように、ワイヤで同極同士を接続してあります。
ICSP/ISPコネクタのピン配列は次のようになっています(PIC、AVRの順)。
(1) MCLR (/RST)
(2) VDD (VCC)
(3) GND (GND)
(4) PGDAT (MOSI)
(5) PGCLK (MISO)
(6) N.C (CLK)
次の写真は電源コネクタ付近です。なお、AVRではプログラミング時に電源供給の必要なものが多いですが、PICの場合、PIC-KEYやPicKit2などでは、プログラマから電源が供給できるため別電源が不要な場合があります。その場合はこのコネクタは不要です。
●コネクタ、ピン・ヘッダの取り付け部分
ICSP/ISPコネクタはシングル6P、ナイロン・コネクタはシングル2Pですが、ブレッド・ボードに刺さる側は2列×6P、2列×2Pの2列のピン・ヘッダを使用しています。これはブレッド・ボードに接続されるピン数を増やして、安定させるためです。接続箇所は次の写真のように、ピン同士を接触させた状態ではんだ付けしています。強度的に不安がある場合は、はんだ付け部分をすっぽり覆うように、エポキシの接着剤を充填しておくと強度が増します。なお、このような冶具をいくつか用意しておくと、ほかの用途にも利用できます。
次の写真は少し角度を変えて撮影したものです。ナイロン・コネクタとピン・ヘッダまたは、二つのピン・ヘッダの短いほうのピンが並ぶように仮固定し、はんだ付けします。はんだ付けの際は、ミノムシ・クリップなどで仮止めするとよいでしょう。
ピン・ヘッダのはんだ付け個所を図で示します。はんだ付けしやすいように、相互のピンが横に並ぶように並べてはんだ付けします。

●接続
接続は、ICSP/ISP信号のほか、+電源、GNDの合計5~6本です。電源はブレッド・ボードの両側から取り出せます。ブレッド・ボード用のワイヤや、少し太めの単線のワイヤを使います。通常はソケットの上側にデバイスを寄せるようにして使うのがよいと思います。本当はリード部分は柔らかいより線にして、ブレッド・ボードに刺さる部分だけがφ0.8ぐらいの単線(またはピン)、とうようなものが理想的です。確か、サンハヤトからこのようなブレッド・ボード用のワイヤが発売されていたと思います。
●使用上の注意
任意に配線できるということは、配線ミスの可能性も高くなるので、デバイスを接続する前に、テスタで接続を確認しておくとよいでしょう。頻繁にデバイスの種類を変更する場合は、扱いが面倒だというのが泣き所です。
