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GPSロガーの製作 (5)


 今回は、GPSデータ・ロガーの回路の組み立てを行います。

 回路の組み立てでは、部品の配置と、配線のしやすさを考慮して工作をする必要があります。今回はキャンディ缶を使用しましたが、同じケースを使うことはないでしょう。このことを考慮して製作の一例として、回路の組み立てで考慮しなければいけないことを中心にお伝えします。

1 ケース絶縁シートの作成
 今回使用したケースは金属製ですので、そのままでは主基板の回路で短絡が発生します。このため、絶縁体として薄いプラスチック・シートを、ケースと主基板の間に入れます。
 プラスチック・シートは家電製品を納めているケースの平面部分を切り出して使います。切り出す方法ですが、キャンディ缶内側の底面と側面をプラスチック・シートで覆えるようにします。側面の4隅は隣り合う側面が重なり合うようにしてなるべく隙間が開かないようにします。


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  写真 1_1プラスチック・シート材料
  
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写真 1_2絶縁シート
   
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写真 1_3ケースと絶縁シート
  
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写真 1_4ケース-絶縁シートはめ込み
  
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写真 1_5ケース-絶縁シート設置
 
2 主基板の切り出し
 ケースに収めるユニバーサル基板(以下、"主基板")を切り出します。
 ユニバーサル基板にケースの底面を当てて、ケースの外形をユニバーサル基板に写し取り、外形に沿って、ユニバーサル基板を切り出します。ケースの厚み分と絶縁シートの厚み分ユニバーサル基板が大きめに切り出されるので、ヤスリなどで、ガタツキが出ない大きさまでユニバーサル基板の外形を削り取ります。
 さらに、今回は、リチウム・イオン電池、3端子レギュレータとDIP SWが配置される位置のユニバーサル基板の切り取りが必要となりました。


  
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写真 2_1主基板_表
  
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写真 2_2主基板_裏
 
3 部品配置の検討
 ケースへの部品の配置ですが、人が操作・確認するUSBコネクタ、MMCコネクタ、SW、モニタ用LEDの配置と、それ以外のマイコン基板、充放電回路、リチウム・イオン電池、GPSレシーバ・モジュールの配置との兼ね合いを考えながら、各部品の配置を決定します。

 今回の製作では、USBコネクタ、MMCコネクタをケースの前面に、SW(DIP SW)はケースの底面、モニタ用のLEDはケース側面、充電状態のLED(充放電回路上にある)はケースの背面に配置しました。またGPSレシーバ・モジュールは、グラウンド・プレーンを形成する必要があるため、ケース上面に配置しました。


  
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写真 3_1ケース_上面(GPS)
  
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写真 3_2ケース_前面(USB_MMC)
  
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写真 3_3ケース_側面(モニタLED)
  
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写真 3_4ケース_底面(DIPSW)
  
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写真 3_5ケース_背面(充電LED)


4 MMCの組み付け
 今回使用したMMCソケットは表面実装用です。このためユニバール基板をソケットと、MMCの各信号線へのプルアップ抵抗の回路が載る程度の大きさに切り取り、切り取った基板のランド面にMMCソケットとプルアップ抵抗を配線し、その状態で主基板に接続しました。

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写真 4_1MMC基板

5 マイコン基板の組み付け
 マイコン基板のUSBは、リチウム・イオン電池の充電用電源と、GPSレシーバ・モジュールとパソコンとの通信用に使用しています。マイコン基板にはBレセプタクルを実装するようになっていますが、ケース・サイズの関係で、ミニBレセプタクルをマイコン基板に実装しました。
 当然レセプタクルのピン配置と、マイコン基板のランド形状・配置は違ってきますので、マイコン基板の配線の改造が必要になります。これはミニBレセプタクルのピン配置によって変わってくるので、製作する場合は信号の関係を確認した上での改造が必要になります。

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写真 5_1usbレセプタクル

 マイコン基板と、主基板の接続は、連結ソケットを介して直接続としました。本来はマイコン基板-連結ソケット-ICソケットの組み合わせで実装すべきですが、ケースに収まらなかったためです。
 通常、連結ソケットは、マイコンなどの部品が実装されている面の裏側で接続するものですが、主基板からのUSBのミニBレセプタクルの高さを低くするため、マイコン基板の部品実装面に連結ソケットを実装しました。

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写真 5_2マイコン基板

6 GPSレシーバ・モジュールの組み付け
 GPSレシーバ・モジュールには、モジュールの金属ケースの3か所に固定用のツメがあります。ツメに対応した寸法で、ケース上蓋に穴を開け、はんだで固定します。
 また、モジュールの底面からコネクタが出ているので、コネクタ用の穴もケース上蓋にあけます。また、ケースの上蓋をグラウンド・プレーンとするため、主基板からのグラウンド線をケースに接地します。
 ケースの穴あけはミニルータを使用しました。


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写真 6_1GPS穴あけ位置
   
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写真 6_2ミニルータ

 GPSレシーバ・モジュールはケースに固定されるため、主基板に直接配線するとメインテナンス性が悪くなります。また、GPSレシーバ・モジュールのコネクタは非常に小さく、コネクタに接続したリード線が動くことで、コネクタにストレスがかかります。このため、GPSレシーバ・モジュールのコネクタからの配線を、ケース上蓋に固定した別のコネクタに中継した上で主基板に配線することにしました。
 これによって、GPSレシーバ・モジュールのコネクタに無理な力が掛かることを防ぎ、GPSレシーバ・モジュールと主基板を分離できるため、メインテナンス性が上がります。

写真:
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写真 6_3gps_中継コネクタ
     
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写真 6_4中継コネクタ_拡大

 GPSレシーバ・モジュールのコネクタへの配線は被覆を剥がす必要のないポリウレタン線(太さ0.29mm)を使いました。配線の仕方ですが、あらかじめポリウレタン線の先端をはんだメッキして被覆を剥がした上で、GPSレシーバ・モジュールのコネクタ・ピンに絡げた上ではんだ付けします。
 配線後には、導通や、隣接ピンとのショートを確認しておきます。

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写真 6_5gpsConnector

7 リチウム・イオン電池の加工
 今回使用した電池は"18650"という円筒型のタブ付き電池です。タブにリード線をはんだ付けし、絶縁のためにペット・ボトルの表面についているプラスチック・シートを適当な大きさに切りとり、電池に巻きつけテープで止めます。その上でドライヤで熱風を当て、プラスチック・シートを収縮させて、電池に密着させます。
 リチウム・イオン電池からのリード線は主基板に直接接続しました。


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写真 7_1ペット・ボトルのシート
   
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写真 7_2リチウム・イオン電池


8 GPSレシーバ・モジュール・バックアップ電池(ボタン型リチウム電池)の加工
 今回はCR2032のボタン電池を使いました。リード線で接続するためタブ付きが望ましいのですが、入手できませんでしたので、タブなしの電池に直接リード線をはんだ付けしました。しかし、電池に熱を加えることは、電池を劣化させる原因になります。このため、短時間にはんだ付けする必要があります。また、そのままでは電池へのはんだ付けは難しいので工夫が必要です。
 まず、電池のはんだ付けする部分を軽くヤスリで磨きます。さらにヤスリがけした部分にフラックスを塗っておきます。リード線はあらかじめはんだメッキをしておきます。この準備の後で、電池にリード線をはんだ付けします。
 はんだ付けが終わったら、リチウム・イオン電池の加工のときと同じように、ペット・ボトルのプラスチック・シートで絶縁をしておきます。
 ボタン電池はGPSレシーバ・モジュールの中継コネクタに直接接続しました。
 
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写真 8_1ボタン電池

9 主基板と各部品の接続
 主基板と各部品の接続は、ケース内でのリード線の取り回しを考えながら行います。
 これはケースに仮組みしながら確認することになります。つまり、回路の製作とケースの加工は同時進行になります(ケースの加工については次回説明)。

   
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写真 9_1主基板組み込み1
   
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写真 9_2主基板組み込み2
   
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写真 9_3主基板組み込み3
   
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写真 9_4ケース_内部(主基板)
   
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写真 9_5ケース_主基板完成


 今回は以上です。次回は、ケースの加工について説明します。

原 誠

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