ここでは,数個のマイコンについてパワーオン・リセット電圧を調べます.実験は,以下のステップで行います.
- マイコンにLEDを点灯させるプログラムを書き込んでおく.
- マイコンの電源電圧を徐々に上げて,プログラムの実行が始まる電圧を記録する.
- マイコンの電源電圧を徐々に下げて,プログラムが停止する電圧を記録する.
これだけです.電源電圧を徐々に上げ下げする装置は,可変電圧電源装置というのですが,私は持っていません.さて,どうするかな.
実験治具:簡単可変電圧電源ないものは,作ってしまおうということで,簡単にできる可変電圧電源を作成しました.
中身は,ベース電圧を可変抵抗器で調整することができる,エミッタ・フォロワ回路です.マイコンも同じブレッドボード上に配置しました.
電源電圧の低い状態で使用するので,LEDが点灯するほどの電圧が確保できるかどうかわかりません.そのため,マイコンの出力を受けたトランジスタでLEDを駆動させることにしました.LEDを駆動するための電源には,公称6Vの乾電池をそのまま使用しています.
| マイコン | LEDが点灯する電源電圧 | LEDが消灯する電源電圧 |
|---|---|---|
| MC9S08QG4CPA | 1.91V | 1.42V |
| MC9S08QE8CPG | 1.91V | 1.23V |
| MC9S08SH4CPJ | 2.57V | 1.48V |
仕様書に記述されているパワーオン・リセット電圧(VPOR)は,いずれも,1.4V近辺の値になっています.ところが,ここで測定された「LEDが点灯する電源電圧」は,いずれもそれよりも高い値を示しています.この電圧は,低電圧検出(Low Voltage Detect: LVD)というパワーオン・リセットとは別の回路によって決められた値(VLVD)です.
そのため,実際のパワーオン・リセットの電圧としてふさわしいのは,「LEDが消灯する電源電圧」のほうであろうと思われます.ただ,BKGD/MS端子の状態がどちらのイベントで取り込まれるかについては,これらの結果からはわかりません.
次回は,OSBDMでBDMアダプタが必要になる理由を考えます.

