コンパイラをインストールしよう
STマイクロエレクトロニクス社(以下ST社)が提供している統合開発環境 (Integrated Development Environment: IDE) には,コンパイラが含まれていません.コンパイラは,別のところから取り寄せます.
STM8S マイコン用の無償 C コンパイラは, COSMIC Software社(以下COSMIC社)とRaisonance社の2社から提供されています.この記事では, COSMIC社 のコンパイラをインストールしてみます.
コンパイラをダウンロードするには, COSMIC社 のWebページから使用者の情報を登録する必要があります.Webページは,原稿執筆時には, http://www.cosmicsoftware.com/download_stm8_16k.php にあります.
最低限必要な項目は,使用者の名前と所属,居住国名,そして電子メール・アドレスです.これらの項目を記入して Submit ボタンをクリックすると,次のページに移動します.
このページの Click here to download (ダウンロードするには,ここをクリックしろ)をクリックすると,インストーラのダウンロードが始まります.インストーラは,デスクトップなどの適当な場所に保存しておきましょう.
コンパイラをインストールするダウンロードしたファイルをダブルクリックなどで実行するとスプラッシュが表示され,インストーラの実行が始まります.
スプラッシュに続いて,インストーラの起動画面が開きます.
Next ボタンをクリックして,次の画面に進みます.
この画面では,コンパイラを使う上でのライセンス条項の確認を行います.内容に異存がなければ,"I accept the terms of the license agreement"(私は,このライセンス契約を受け入れます.)をチェックして, Next ボタンをクリックして次の画面に進みます.
この画面では,ユーザ情報を入力します.ここで入力したユーザ名と所属は,ライセンスを発行するときに使用されます.それぞれ入力したら, Next ボタンをクリックして次の画面に進みます.
この画面では,インストール先を指定します.インストール先は, Browse... ボタンをクリックするとあらわれるダイアログで指定します.
このインストール先も,デフォルトのままでもかまわないのですが,パスが長くなることと,フォルダ名に空白文字が含まれるため,私は, C:\Programs\COSMIC\CXSTM8_16K というフォルダに配置することにしました.
インストール先を指定したら, Next ボタンをクリックして次の画面に進みます.
この画面では,プログラム・フォルダ名を指定します.プログラム・フォルダは,「スタート」メニューからプログラムを呼び出すときにあらわれるポップアップ・メニューをカテゴリ分けするためのフォルダです.
ここでは,デフォルトの "Cosmic Tools" をそのまま使うことにしました. Next ボタンをクリックして次の画面に進みます.
以上でインストールに必要な情報は,すべて揃いました.入力した内容に間違いがないか確認し, Next ボタンをクリックすると,コンパイラに必要なファイルのコピーなどが行われます.
ファイルのコピーなどが終わったら,この画面が表示されます.ここでは,続いて「デスクトップにアイコンを作成する」「ライセンスを登録する」の二つの作業をさせることができます.
デスクトップ・アイコンは,なくても困らないので作成しないことにし,チェックをはずしました.
一方,ライセンスがないとコンパイラが動作しないので,ここで登録処理を行うことにしました.
チェック・ボックスを設定したら, Next ボタンをクリックして次の画面に進みます.
今すぐ登録して,無償 LITE バージョンのツールを手に入れよう.
ソフトウェアを使用するための正式なライセンスを受け取ることができます.
すると,小さなダイアログが表示されます.これは,登録を促すものです. OK ボタンをクリックして次の画面に進みます.
この画面は,ライセンス登録のための情報を入力するためのダイアログです. FAX 番号以外は必須になっています.必須項目のうち,「ユーザ名」と「所属」は,インストールのときに入力した値が入っています.
入力が終わったら, Cancel 以外のボタンをクリックするのですが,さて,どれをクリックすればよいのでしょうか.
- Register by Email
このボタンをクリックすると,デフォルトのメール・アプリケーションが起動されて勝手にメールを送信しようとします.もちろん,メール・アプリケーションが適切に設定されていれば,メールを送信する前にメール・アプリケーションの警告ダイアログがあらわれます.
- Edit Email and Register
このボタンをクリックすると,デフォルトのメール・アプリケーションが起動されます.ただし,送信メールの編集ウィンドウが開くだけで,どんな内容を送信しようとしているのかをユーザが確認できるようになっています.メール・アプリケーションを使用している場合には,このボタンがおすすめです.
- Write to File
Web メールを専門に使っているので, PC ではメール・アプリケーションを使っていないという方もいらっしゃると思います.そんな時には,このボタンをクリックします.すると,メールで送信すべき内容を好きな場所にテキスト・ファイルとして保存することができます.こうすれば,保存したテキスト・ファイルの内容を Web ブラウザから送信することができます.送信先アドレスもこのテキスト・ファイルに書いてあります.
メールが送信されたら,この画面があらわれます.以上でコンパイラのインストールは完了です. Finish ボタンをクリックすると,ウィザードが終了します.
ライセンス・ファイルを配置するライセンス登録情報には,使用しているハードウェアに固有の情報,例えばネットワーク・ポートの MAC アドレス(HOSTID)やハードディスクのシリアル番号(DISK_SERIAL_NUM)などが含まれています.そのため,ハードディスクやネットワーク・ボードを交換・増設するだけで,ライセンスが使用できなくなってしまう可能性があります.無線インターフェースを付け外しする場合にも注意が必要です.
そのような場合には,コンパイラのインストール・フォルダにある
Lmreg16k.exeを実行すると,登録情報入力ダイアログと同じものがあらわれます.ライセンスの登録に失敗した,あるいは,いつまでたってもライセンス・ファイルが送られてこないような場合にも,使用することができます.
インストールの終盤でライセンス・ファイルを要求するメールを送信しました.このメールを受け取った COSMIC社 は,対応するライセンス・ファイルを生成してメールで返信してきます.
このライセンス・ファイルの発行業務は,手作業で行われているようです.そのため,フランスにある COSMIC社 の業務時間にならないと,ライセンス・ファイルは返信されてきません.フランスの業務開始時間は,日本時間では夕方に相当します.そのため,日本から昼間にライセンス・ファイルを請求しても夜にならないとライセンス・ファイルが手に入らないという事態におちいってしまいます.気長に待ちましょう.
返信されてきたメールには, license.lic という名前のライセンス・ファイルが添付されています.このライセンス・ファイルをコンパイラをインストールしたフォルダにある License というフォルダ,この例では, C:\Programs\COSMIC\CXSTM8_16K\License にコピーします.
これで,コンパイラが使えるようになります.ただし,このライセンス・ファイルでは,生成されるコードのサイズに16Kバイトの上限が設定されています.マイコン内のすべてのリソースを使うためには,有償コンパイラが必要になるようです.
次回は,アプリケーション作成の第一歩,プロジェクトを作成します.
