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STM8Sマイコンを使った最初のアプリケーション (6)


STM8S-Discovery ライブラリを整備しよう

 TIM3 モジュールを使用するという方針を決めて,レジスタを直接操作するプログラムを書きました.ところが,これでは簡単にアプリケーションを作成するという目的から逸脱してしまいます.ほかにもっと簡単な方法はないでしょうか.

ファームウェア・ライブラリをダウンロードしよう

 実は,あります. STマイクロエレクトロニクス社(以下ST社)は,ファームウェア・ライブラリ(Firmware library: FWLib)というソフトウェア部品を提供しています.これを利用して,細かいレジスタ設定などは出来合いの関数にまかせてしまうことにしました.

 まず, stm8fwlib.zip という ZIP ファイルを ST社 のWebページからダウンロードしてきます.この記事を執筆している時点では, http://www.st.com/products/support/micro/files/stm8sfwlib.zip にファイルがあります. ZIP ファイルを解凍して,適当な場所に配置します.この例では,作成したワークスペースの隣の C:\Projects\STVD\stm8sfwlib に配置しています.

ファームウェア・ライブラリ

 FWLib というフォルダにライブラリのヘッダ・ファイルとソース・ファイルが入っています. stm8s_fwlib_um.chm というファイルは,ファームウェア・ライブラリのマニュアルです.また, version.txt には,ファームウェア・ライブラリのバージョン情報が格納されています.私が展開したものには, "V1.1.1 - 06/05/2009" と書いてありました.

ライブラリ・ファイルをリンクする

 展開したファームウェア・ライブラリは,プロジェクトから明示的にリンクする必要があります.リンクすべきファイルは,以下の表のとおりです.

リンクするファイルリンク先用途
FWLib\library\inc\stm8s.hInclude Files汎用ヘッダ
FWLib\library\inc\stm8s_tim3.hInclude FilesTIM3ヘッダ
FWLib\library\src\stm8s_tim3.cSource FilesTIM3ライブラリ


 リンクするためには,二つの方法があります.

 ひとつは,ワークスペース・ペインの Source Files フォルダ,または Include Files フォルダにこれらのファイルを Drag&Drop する方法です. Explorer などで Drag&Drop した場合,ファイルそのものがコピーまたは移動されてしまいますが, STVD の場合には,リンクだけが作成されます.

ライブラリ・ファイルのDrag&Drop

 もうひとつは,ワークスペース・ペインの Source Files フォルダ,または Include Files フォルダを右クリックし,メニューから Add Files To Folder... を選びファイルを指定する方法です.この場合にもリンクだけが作成されます.

ライブラリ・ファイルを追加するメニュー

 いずれの方法を使っても,ワークスペース・ペインの Source Files フォルダと Include Files フォルダにリンクされたファイルが並びます.

リンクされたライブラリ・ファイル 設定ファイルをコピーする

 ファームウェア・ライブラリを使うためには,プロジェクトごとに stm8s_conf.h という設定ファイルが必要です.このファイルは,リンクするのではなく,ファームウェア・ライブラリに用意されているテンプレートをコピーして使います.

 Explorler を使って, FWLib\project\stm8s_conf.h にあるテンプレート・ファイルをワークスペース・フォルダ,この例では C:\Projects\STVD\ws01\proj01 にコピーします.移動してしまわないように注意しましょう.

設定ファイルをコピーする

 ファイルをコピーしただけでは,プロジェクトからリンクされません.ほかのライブラリ・ファイルと同様にワークスペース・ペインの Include Files フォルダにリンクします.

リンクされた設定ファイル 設定ファイルをカスタマイズする

 次にコピーされたテンプレート・ファイルをこのアプリケーション向けにカスタマイズします.ワークスペース・ペインの stm8s_conf.h をダブルクリックすると,テキスト・エディタが開きます.デフォルトのままでは,ウィンドウが小さいので,最大化ボタンを押して大きくしましょう.

設定ファイルをテキストエディタで開く

 変更は,コメントになっているマクロ _TIM3 の宣言を非コメント化することです.

_TIM3の宣言を非コメント化する

 これで, TIM3 モジュールのライブラリが使えるようになりました.ファイルの編集が終わったら, ctrl+S でファイルを保存します.

 次回は,プログラムを仕上げます.

田中範明(noritan.org)
2010/02/09 追加 STM8-Discovery: 秋月電子通商で取り扱いが始まりました。

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コメント (1)

stm8s_conf.hの組み込み後、compileでErrorが出ます。
stm8s_conf.hは、どこに有りますか?
いろいろ探しましたが上手く見つけられません。

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