はてなブックマークに追加   ブレッド・ボード・アダプタ (連載 第4回)

●ブレッド・ボード・アダプタとは
 ブレッド・ボードははんだ付け不要で、試作する上では大変便利なツールですが、いざ使おうとすると、スイッチやリレー、D-SUBコネクタや足の太いトランジスタなど、直接取り付けられないものが結構あり、不便なこともあります。
 そこで、よく使う定型回路を部品化したものや、直接ブレッド・ボードに実装できない部品のアダプタとして、小型のブレッド・ボード・アダプタ基板をいくつか製作したものを紹介しています。

●通信関係のアダプタ

 今回は、パソコンなどと接続するシリアル・インターフェース関係のアダプタを説明します。マイコン機器とパソコンを接続するインターフェースとして、もっとも一般的なのはRS-232Cです。RS-232Cは最近のパソコンではレガシ・インターフェースとされ、ノート・パソコンには搭載されていないことも多くなりました。しかし、産業界での機器制御ではまだ多く使われているらしく、RS-232C関係のアダプタは意外と需要があります。

 教育機関でマイコンを扱う場合、たいていはシリアル通信に関するものが学習課題に入っていると思いますが、D-SUBコネクタやUSBコネクタはブレッド・ボードには実装できず、ユニバーサル基板で製作するにも扱い難いものです。そこで、D-SUBコネクタのアダプタを考案しましたが、それだけではつまらないので、レベル・コンバータICを搭載して、マイコン機器と直結できるようにしました。同様の考え方で、USB版も用意しています。

 #126/126B、#160はそのようなRS-232Cのアダプタ基板です。とくに#160のほうは600mil(0.6インチ)幅のDIPタイプで、ピン・プラグが付けられますので、直接ブレッド・ボードに実装することができます。
 次の写真は、#126 RS-232C アダプタをブレッド・ボードの片隅にスペーサとネジで固定した例です。D-SUBコネクタ固定用のネジをブレッド・ボードに固定する際のネジと共用しています。RS-232Cを頻繁に使う試作などの場合は、このようなボードを用意しておくと重宝するでしょう。

アダプタの固定例

 その他、亜種として、UART-USB変換アダプタのFT232BM/FT232RLを搭載した、#121/#121Aや、X-Portを搭載した#159も用意しています。RS-232Cの#160と合わせて、これらのDIPモジュールは、マイコン側と接続するTTLレベルの信号TXD、RXDが同じピンにアサインされているため、これらのモジュールを差し替えることにより、インターフェースを挿し替えることができます。
 これらモジュールは、ブレッド・ボードを使った試作に使用するのみならず、プラグイン・モジュールとして、あとからI/F種別を切り替えたいというようなアプリケーションにも応用できます。
 次の写真は、#146 SIO-I2C/SPIブリッジに#121 FT232BM USBアダプタをプラグインとして装着したときのものです。

SIO-I2C/SPIブリッジ

 次の図は、第2回で紹介した「シンプル・タイマ」の製作例に#160 RS232Cアダプタを接続して、パソコンのターミナル・ソフト(ハイパーターミナルなど)からON/OFF時刻や現在時刻などの設定ができるようにしたものです。#160を#121A USBアダプタに差し替えることで、USB対応に変更することもできます。
 少し大きめのブレッド・ボードを使用すれば、1枚のブレッド・ボードでもう少しコンパクトに収まると思います。

シンプル・タイマでの使用例

●通信モジュールの発展型(マイコン DIPモジュール)

 通信インターフェース回路とマイコン回路を一つのアダプタ・ボードに搭載したマイコン・モジュールも用意しています。現在、マイコン・チップを搭載したDIPモジュールには、次のようなものがあります。

#137 USB PIC DIPモジュール
#138 RS-232C PIC DIPモジュール
#139 I2C/SPI PIC DIPモジュール
#162 USB PIC18F245X DIPモジュール
#168 USB ATmega48/88/168 DIPモジュール(AVR)
#175 USB ATtiny2313 DIPモジュール(AVR)

 コンセプトはどれも同じで、CPUとインターフェースの組み合わせが変わっているだけです。これらのモジュールは、クロック発振子の回路など最低限必要な部品が配線されているため、電源をつなぐだけで、マイコンとして機能します(外部に何かをつながないことには何も動かせませんが)。また、USB関係のモジュールは、バス・パワード・モード(USBバスから電源をもらうモード)の場合、電流容量の制限はありますが、CPUを含め外部に接続する機器にも電源を供給できるため、マイコン・モジュール自体に別電源を供給する必要もありません。

 次の図は、#121A USBモジュールでPIC16F88を使用して温度センサとLEDを取り付けた例です。この構成の場合、パソコンから温度を読み取ったり、LEDをON/OFFさせるようなプログラムが作れます。また、LEDと並列にリレーを接続すれば、簡単な温度コントローラに発展させることもできます。
 このボードをバス・パワードで使用すれば、5Vの電源供給も不要です。なお、リファレンス電圧がVDDになるため、温度の読み取り精度はよくありません。実用的なものにするには、基準電圧ICを使うなどしてリファレンス電圧に正確なもをを与えるなど、改良が必要です。

USB PICモジュールの使用例

●AVR使用のDIPモジュール

 前項のリストに挙げていますが、最近AVRチップが乗ったDIPモジュールも製作しています。チップはATmega168とATtiny2313の2種類ですが、いずれもFT232RLとUSB-Bコネクタが搭載でき、直接USBバスへ接続できるようになっています。これらのAVR関係については、また別の機会に説明したいと思いますが、ここではレイアウト図だけ紹介しておきます。

AVRモジュール



2007/08/08 14:07 シンプル・タイマの製作例の実体配線図に間違いがあったので、正しいものに差し替えた。

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投稿者: yoshida 日時: 2007年7月18日 15:20 | パーマリンク |TOPページへ   ▲画面上へ

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