![]()
ScratchはMIT(マサチューセッツ工科大学)のMedia Labで開発されている、子ども向けのプログラミングソフトです。Scratchを使うと、コンピュータを使って、ゲーム、アニメーション、電子楽器などの仕組みを作ることができます。コンピュータに仕事の手順を教えて仕組みを作る、すなわち「プログラミング」が子どもでも簡単にできる素晴らしいソフトです。
さらに、Scratchを使って作った作品はWebサイトに公開し、世界中の人に見せて、遊んでもらい、コミュニケーションをすることができます。自分で作りたいものを「想像」し、それを「プログラミング」によって作り上げ、Webサイトで「共有」し、第三者からのアイデアをもらって更に改善をしていくというコンセプトでScratchは作られています。
この連載はScratchで「どんなことができるのか?」を一通り紹介しつつ、プログラミングが初めてという人にも理解できるように書き進めます。具体的には、以下のような読者の方を想定しています。
1. Scratchやプログラミングに興味があって、どんなことができるのかを一通り試してみたい大人の方(授業での利用を検討している中学や高校の先生方を含みます)
2. 子どもと一緒にScratchをやってみたいが、少しだけ先回りして、子どもに質問されたときに困らないようにしておきたい(少し見栄を張りたい)保護者の方
文体は大人向けですが、中学生や高校生であれば、この連載記事を参考にしながら、自力でScratchを使いはじめ、自分で作りたいものに挑戦することができると思います。
Scratchは細かい説明がなくとも使えるように工夫されていますので、実は手とり足とりの解説はあまり必要ありません。しかし、やはりマニュアル的なものを一通り見てみたい、プログラミングについても解説があると嬉しいという方も多いと思います。そのような方を対象に、ゆっくり丁寧に解説することを心がけます。
連載で扱う題材は「シューティングゲーム」です。少しずつゲームを組み立てながら、Scratchの使い方とプログラミングに必要な概念を段階的に解説していきます。何もない状態から少しずつシューティングゲームを作っていく過程を紹介することで「作り方のコツ」を伝えられればと思います。このコツが分かれば、自分で作りたい作品を作る場合にも応用ができます。
シューティングゲームの基礎部分を完成させる「入門編」は以下のような内容で記事を掲載する予定です。
Week1. Scratchのインストール
Week2. 自機を作る(1)~キーボードで操縦できるようにする~
Week3. 自機を作る(2)~アニメーションを追加する~
Week4. 敵キャラを作って動かす(1)~座標と条件分岐~
Week5. 敵キャラを作って動かす(2)~乱数の活用と複製~
Week6. ScratchのWebサイトの活用(1)~ユーザ登録とプロジェクトの公開~
Week7. ScratchのWebサイトの活用(2)~様々な活用法~
Week8. 弾丸を発射できるようにする
Week9. あたり判定を作る
Week10. 効果音とBGMをつける
Week11. 敵キャラの爆破アニメーションを作る
Week12. スコアと残機数を記録する
Week13. ステップ実行を使ってデバッグする
Week14. スタート画面とゲームオーバー画面を作る
Week15. ハイスコアを記録する
Week16. 敵キャラの動きを複雑にする~三角関数の活用~
Week17. 敵キャラの種類を増やす
Week18. ボスキャラを作る
入門編の後に更に発展的な内容を扱う「フィジカルコンピューティング編」、「上級編」、「番外編」と続いていく予定ですので、ご期待ください。
1回分の記事は15分程度で読めて、作業が可能な分量にする予定です。記事の掲載に合わせて毎週少しずつ取り組んでいただいてもよいですし、ある程度まとめて読んでいただいてもかまいません。50分程度の授業で利用するような場合は、3回分程度の連載を参考にしていただければちょうどよい分量になると思います。
それではScratchのダウンロードとインストールをはじめましょう。
Scratchのダウンロードこの記事が読めているということは、インターネットに接続されているパソコンがあるはずです。まずはScratchのWebサイトにアクセスして、Scratchをダウンロードしましょう。
ScratchのWebサイトはコミュニティサイトとしての機能もありますが、それは追々紹介するとして、今回はScratchのダウンロードページにアクセスしてみましょう。
画面(図1)には以下の3種類のOS用のリンクが表示されていると思います。お使いのパソコンの種類に応じて、適切なファイルをダウンロードします。
学校の共用パソコンなど、インストール権限がないパソコンでScratchを使う場合、上記のインストーラーではうまく動作しない場合があります。Windowsの場合は、ここからファイルをダウンロードしてください。インストール作業をしなくても、ダウンロードしたファイルを解凍し、猫のアイコンをクリックすれば、Scratchが起動します。
Scratchのライセンス(利用規約)に関するQ&Aはここで読むことができます。またライセンスの全文はここから閲覧できます。個人や学校などでScratchを使う場合は無償で利用やコピーができますので、とくにライセンスで注意すべき点はないでしょう。
次から、WindowsとMacのインストール作業について解説します。
Scratchのインストール(Windowsの方)ダウンロードしたScratchInstaller1.4.exe(図2)をダブルクリックして起動します。
インストーラーが起動しますので、Nextボタンを順番にクリックしていくと、インストールが進行します。通常は何も変更せずにNextやInstallボタンを押していけば問題ありません。次からインストーラーの画面と一緒に手順を説明します。
インストール先を選択します。初期値は「C:\Program Files\Scratch」です。変更の必要がない場合は、Nextボタンを押してください(図3)。
ショートカットメニューについての設定画面(図4)です。通常はとくに変更の必要はありませんので、Installボタンを押してください。
ファイルのコピーが始まりますので、少し待ってください。以下のような画面(図5)になればファイルのコピーは終了です。Nextlボタンを押してください。
以下のような画面(図6)になればインストールは終了です。Finishボタンを押してください。
以下のような画面(図7)が表示されれば、Scratchの起動は成功です。
次回からはデスクトップにある猫のアイコン(図8)をダブルクリックするか、プログラムの一覧からScratchを選択して起動することができます。起動画面の左上のファイルというメニューから、終了を選択するとScratchを終了させることができます。
Scratchのインストール(Macの方)
ダウンロードしたMacScratch1.4.dmg(図9)をダブルクリックします。
以下のような画面(図10)が表示されます。左側に表示されている猫のアイコンがついたフォルダがScratchの本体です。これを右のアプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップするとインストールができます。もしくは、猫のアイコンがついたフォルダを好きな場所(デスクトップなど)にドラッグ&ドロップすると必要なファイルがコピーできます。お好きな方を選んでください。
アプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップした場合、アプリケーションの一覧にScratch 1.4という項目が表示されています(図11)。
項目をダブルクリックして中身を表示させ、Scratchという名前の猫のアイコン(図12)をダブルクリックすると起動します。
以下のような画面(図13)が表示されれば、Scratchの起動は成功です。起動画面の左上のファイルというメニューから、終了を選択するとScratchを終了させることができます。
訳語の設定ファイルの更新
Scratchは様々な言語で利用することができます(日本語化は主に阿部 和広さんが担当されています)。
起動時に日本語表示になっていない場合、Scratchの画面の左上の地球儀のアイコンをクリックして「日本語」を選択してください。一覧に日本語が表示されていない場合は「more…」を選択して一覧の残りを表示させます。小さなお子さんのために漢字を使っていない「ひらがな」もあります。
「日本語」と「ひらがな」の訳語の設定ファイルに一部訂正がありますので、差し替えをオススメします。手順はWinodws、Mac共に共通です。
http://squeakland.jp/abee/tmp/ja100109.zip
上記のリンクからファイルをダウンロードし、解凍してください。ja.poとja_HIRA.poというファイルができるので、これらを移動します。移動先は、Scratchをインストールしたフォルダ(Windowsの場合は、C:\Program Files\Scratch、Macの場合はアプリケーション内のScratch 1.4など)の中にあるlocaleというフォルダです。localeというフォルダ内にはja.poとja_HIRA.poがありますので、これをダウンロードしたファイルで上書きします。通常はあまり大きな問題は起こりませんので、もし面倒であれば、この作業はスキップしていただいても大丈夫です。
インストールが終わったので、次回からシューティングゲーム作りを始めたいと思います。


コメントする